- 書籍「わたしの美しい庭」の感想・書評が知りたい
凪良ゆうさんの「わたしの美しい庭」。マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」と、そこに住む住人の物語。
小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。
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百音と統理は血がつながっていない。その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。
三人が住むマンションの屋上。そこには小さな神社があり、統理が管理をしている。
地元の人からは『屋上神社』とか『縁切りさん』と気安く呼ばれていて、断ち物の神さまが祀られている。
悪癖、気鬱となる悪いご縁、すべてを断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが――
「わたしの美しい庭」を紹介します。
参考:わたしの美しい庭
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わたしの美しい庭|作者:凪良ゆう
凪良ゆう(ナギラユウ)。滋賀県生まれ。
2006年「小説花丸」に「恋するエゴイスト」が掲載されデビュー。
以降、各社でBL作品を刊行。17年に非BL作品である『神さまのビオトープ』を刊行し高い支持を得る。
2020年『流浪の月』が本屋大賞グランプリを獲得。
わたしの美しい庭|あらすじ
マンションの屋上庭園の奥にある「縁切り神社」。そのマンションに住む住人の物語。
小学5年生の百音(もね)は5歳のときに両親を交通事故で亡くしている。ゆく宛のない百音は、母親の前の夫である統理(とうり)に引き取られ、「縁切り神社」のあるマンションで暮らしていた。
統理は百音を自分の子どものように育ててきた。それでも周りからは「なさぬ仲(血のつながりのない親子の間柄)」と噂話をされたり良い気はしなかった。百音は噂話を聞き心配になるが、統理は大丈夫だよ、と百音に伝える。
その二人の部屋に朝になると路有(ろう)がやってきて一緒に朝ごはんを食べる。路有は統理の同級生で、屋台バーを経営している、またゲイであることを公言していた。共通点があるような、ないような3人。
さらに同じマンションに住む桃子や、桃子の昔の恋人(坂口くん)、恋人の弟(基)で物語が成り立っている。
マンションの屋上にある「縁切り神社」は名前の通り、なにかの「縁」を切るための神様が祀られている。この神社を管理しているのは統理。
統理は翻訳家の仕事をする傍ら神社の管理をしていた。
桃子
統理たちと同じマンションに住む桃子は医療事務の仕事をしていた。歳は39、独身。周りから早く結婚して欲しいと言われいた。桃子が望まないまま、お見合いをセッティングされり、うんざりしていた。
桃子には辛い過去があった。学生時代につきあっていた坂口くん交通事故で亡くしているのだ。そんな桃子が何を考え、どう生きていくのか描かれている。
路有
路有はゲイである。彼氏がいたこともある。そんな路有のもとに元カレから荷物が届くことから物語がはじまる。
路有は断ち切っていたはずの元カレのことが気になり、荷物の住所を尋ねることにした。元カレと別れた原因は、元カレがゲイではない道を選んだからだ。
どうやら元カレは結婚していて、子どもが生まれることを知る。しかし、元カレはその生活に不安になっていた。ゲイである自分に妻と子どもがいる生活が耐えられるか分からなかったのだ。
路有は元カレから一緒に逃げようと誘われる。二人の行く末はどうなるのか。
基
桃子が付き合っていた坂口くんの弟、基(もとい)の話。33歳で東京で仕事をしていたが、パワハラを受けてうつ病になってしまった。それから実家に帰ってきてる。
ひょんなことから地元で桃子と会い、少し話をするようになる。基は前を向けるようになるのだろうか。
わたしの美しい庭|感想・レビュー
この物語を一言で表すなら「多様性」。それぞれの登場人物に価値観があり、それぞれを認め合いがらお互いが、自分の道を歩いている。
バツイチであり、血がつながっていなくても大切に百音を育てる統理。ゲイを公言する路有。そんな環境で育つ百音。39歳独身の桃子。うつ病になった基。
誰も悪い人はいない、それでも周りとの考えの違いで悩んでしまうことがある。悩んで、悩んで、自分と向き合って、進む道を決める。
どの登場人物にも物語にも「愛」がある。多様性で悩んでいたり、他の人に合わせること疲れている人に見て欲しい本。
参考:わたしの美しい庭
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