- 書籍「流浪の月」の感想・書評が知りたい
凪良ゆうさんの「流浪の月」。2020年の本屋大賞作品。
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描いた。
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「流浪の月」を紹介します。
参考:流浪の月
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流浪の月|作者:凪良ゆう
凪良ゆう(ナギラユウ)。滋賀県生まれ。
2006年「小説花丸」に「恋するエゴイスト」が掲載されデビュー。
以降、各社でBL作品を刊行。17年に非BL作品である『神さまのビオトープ』を刊行し高い支持を得る。
2020年『流浪の月』が本屋大賞グランプリを獲得。
流浪の月|あらすじ
主人公は家内更紗(かないさらさ)9歳の小学生。佐伯文(さえきふみ)19歳大学生。この2人が出会うことから物語ははじまる。
更紗の家族は仲良かったが9歳のときに父が病気で死んでしまい、母はそこからおかしくなってしまった。いつの間にか更紗の前から姿を消し、ひとりになった更紗は叔母の家に引き取られることになった。新しい家に馴染めず、特に叔母の息子である中2の孝弘は更紗の嫌がることする。それが更紗のトラウマとなる。
家が居心地悪いこともあり、更紗は学校帰りに公園で暗くなるまで本を読むようになる。同じ公園で本を読んでいたのが大学生の文だ。ある日、いつのものように公園で本を読んでいると、雨が降ってきたので、文がそっと更紗に傘を差し出した。
更紗は家に帰りたくないと言い出し、それなら「家に来る?」と文はいった。ここから更紗は文の家の居心地が良く、家に帰らなくなる。
それから暫くするとニュースで更紗が行方不明だと伝えられた。小学生がいなくなったのだから当たり前だ。文は誘拐したわけではない、文は「更紗の好きにすればいい」といった。帰りたければ変えればいいし、居たければ居ればいい。結局2ヶ月のもの間、更紗は文の家に居座る。
更紗はその生活にも慣れてきて、ふいに動物園に行きたいと言い出した。文は「いいよ」という。行方不明届けは出たままなので、文と更紗は動物園で警察に捕まってしまう。
お互いにこの2ヶ月間はかけがいのないものだった。人生で安らげる場所を見つけたような、そんな2ヶ月間だった。警察に捕まったことで文と更紗の生活は終わりを告げる。
それから15年の月日が流れる。文は34歳、更紗は24歳となった。お互いどこで何をしているは知らない。
このあと2人はどのような人生を歩み、どうなっていくのか。
続きは書籍でお楽しみください。
流浪の月|レビュー・感想・書評
親子でもなく、恋人でも友達でもない2人の何とも言えない関係を描いた作品。このどうしようもない距離感がたまらなく良かった。
ただ一緒に居たいだけの存在。そこに恋愛感情はない。こんな存在が人生で1人ぐらい見つけられたらいいなと思う。
また登場人物で悪人がいない(孝弘を除く)。それぞれの悩みがあり、考えがあり、それに従って生きているだけ。それなのに生きづらい。
これは必死に生きて「自分の居場所」を見つけ出す物語。それが仕事でも家族でもない別の場所に「自分の居場所」を見つける。今は多様性の認められつつある時代、これから色んな形の生活がでてくると考える。
私も居心地のよい「自分の居場所」を見つけたいと思った。誰かに縛られるでもなく、周りの目を気にするわけもなく、私は私と言える場所。そこに向かって歩き始めたいと思った一冊だった。
参考:流浪の月
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