
次の方を対象にしています!
- 書籍「ついやってしまう」体験の作り方 の内容が知りたい
- マリオの面白さの秘密が知りたい
- 「楽しさ」の正体が知りたい
スーパーマリオなど、ゲームに夢中になった経験はありますか?
ゲームは「なぜ」あんなに人を夢中にさせてしまうのでしょうか。実は、ゲームに夢中になっているようで、夢中にさせられていたのです。
ゲーム開発者の想定通りに私たちはゲームに夢中になります。色々な仕掛けにより、気づかないうちに発見をし、歓喜するように出来ています。
どういうことなのか解説していきますね!
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「ついやってしまう」体験のつくりかた

元・任天堂企画開発者の玉木真一郎さんの書籍です。人を動かす「直感・驚き・物語」の仕組みについて解説します。
3つの手法
- 「つい」やりたくさせてしまう
- 「つい」熱中させてしまう
- 「つい」誰かに言いたくさせてしまう
それぞれ紹介します。
「ついやってしまう」体験のつくりかた要約

最初にマリオについて取り上げます。
マリオの面白さの秘密
スーパーマリオは、ワクワク・ドキドキするように体験をデザインされています。
スーパーマリオは何をしたら勝ち?
スーパーマリオは何をしたら勝ちか知っていますか?
- クッパ(ボス)を倒す
- ピーチ姫を助ける
- コインを集める
- 制限時間以内にゴールする
- ステージを進める
残念ながら上記は、すべて間違えです。
マリオのゲームを思い浮かべてましょう。ゲームをスタートすると、マリオが立っています。しかし、肝心のルール説明はありません。何をすればよいかはプレイヤーが考えます。
- マリオが画面「左端」に立っている
- マリオが「右」を向いている
- 雲が画面「右上」に浮いている
プレイヤーは迷いながらマリオを「右」に移動させます。マリオの向き、雲の配置など、画面の状況から、何をすれば良いか想像して「右」に行くことを選びました。
「右」へ行くとクリボー(敵)が現れるのですが、ここでプレイヤーは喜びます。
なぜ喜ぶのか?
それは自分で考え「右」に進んだ結果、正しかった!と思えたからです。
そうなんです。マリオの勝ちの条件・ルールは「右にいく」だけです。マリオの髭と帽子は進行方向をわかるようにデザインされています。
これがマリオの面白さの秘訣です。説明を受けずに自分の中で「仮説 → 試行 → 歓喜」をしたことでワクワク・ドキドキを味わったのです。
- 仮説:マリオをどう動かすか考えた結果、「右」に行ってみよう!
- 試行:「右」に動かしてみる。この時点では、この判断が正しいか、わからない。
- 歓喜:「右」に進んだことでクリボーが出現!(新しい出来事)。判断が正しかったと確信する。
一度この体験をするとプレイヤーは「右にいく」が正しいと信じ続けます。自発的に学んだことは深く信じるのです。
ゲームは面白いから遊ぶからのではなく「つい思いついちゃった」から遊ぶのです。
アフォーダンス
「アフォーダンス」という考え方があり、私たちは初めて見るものに対して「これは○○するのかな?」と仮説を立てようとします。
例えば、トイレで床にスリッパのマークがあったら思わずそこに足を合わせた体験をした事はありませんか?これが「アフォーダンス」です。
自分で考え、仮説を立てて実行した結果、相手の意図した通りに動かされています。自分で考えて答えを導いていく。この連続が気持ちよく、ある一点を超えたときに「面白い!」と感じるのだそうです。
ついやってしまうこと
1 + 2 = ?
これを見たときにどう思いましたか?
無意識に「3」と答えを考えませんでしたか?「この問題を解きなさい!」とは言っていないのに「つい」やってしまったと思います。
24 ÷ 2 = ?
これも「つい」計算すると思います。
318237423345 ÷ 16 = ?
暗算では難しいので、計算しなかったと思います。
つまり、シンプルで簡単であるものは「つい」やってしまうのです。面白さはシンプルで簡単であること。
スーパーマリオの面白さの結論
ゲーム自体がおもしろいからではなく、プレイヤー自身が直感する体験そのものがおもしろいから、遊ぶ。
セルダの伝説
「ゼルダの伝説」でも同じような仕掛けがあります。
ステージ上に蜘蛛の巣があり、先に進めません。周りを見ると、木と火があります。プレイヤーは仮説を立てます。木に火をつければ、蜘蛛の巣を燃やせるのではないか?やってみると蜘蛛の巣を焼き払い、先に進めました!
ゼルダでも「仮説 → 試行 → 歓喜」の流れが上手くデザインされています。
人はなぜ「つい夢中になってしまうのか」のか?

「仮説 → 試行 → 歓喜」を何度も連続で行うと飽きてきます。
そんなときは「驚き」をデザインしてみましょう!
驚きは「誤解 → 試行 → 驚愕」です。
プレイヤーに○○するのかな?誤った仮説を立てさせます。予想外のことが起きることで、「仮説 → 試行 → 歓喜」の流れが崩れ、飽きにくくなるのです。
ドラゴンクエスト
ドラゴンクエスト(以下、ドラクエ)は、ロールプレイングゲームです。長い時間ゲームの中で旅をします。場合によっては何十時間もプレイするため、飽きない工夫が必要です。
ドラクエの工夫は「カジノ、結婚イベント、ぱふぱふ(お色気イベント)」です。
ダンジョンを攻略し、ボスを倒す!という連続で、プレイヤーも疲れてきます。そこで突如、カジノが現れたらどうでしょうか?
今までと違うパターンにプレイヤーは驚きます。まさかゲームの中にカジノが出てくるとは思わないからです。単調な流れの中に、驚きを混ぜることで飽きにくくさせています。
人はなぜ「つい誰かに言いたくなってしまう」のか?

私たちの脳は常に全体像や状況を把握したいと思っています。
例えば、写真を見せられたら、そこからストーリーを作ろうとします。
上記の気球の写真を見てストーリーを思い浮かべてみます。
「年の一度、気球の世界大会が開かれる。一人ひとりオリジナルデザインの気球を持ち寄って、誰が一番遠くまでいけるか競い合う大会だ。私のおじいちゃんも気球職人の一人〜」のように妄想できます。
ゲームでも断片的な情報だけを出して、プレイヤーにストーリーを創造させることがあります。伏線をはっておいて、あとで回収することで「あとのきのアレはこの意味だったのか!」とプレイヤーに気づかせるのです。
また、ストーリーには大事な役割があります。
それは、プレイヤーを成長させることです。
例えば、何度もポケモンを捕まえることでポケモン図鑑を埋めようとしたり、分かれ道をプレイヤーに選択させたりすることで、プレイヤー自身も成長してきます。ゲームの主人公だけでなく、プレイヤーも成長を実感できるようにデザインされているのです。
そして、ゲームクリア後、最後のイベントがあります。それはスタート地点に戻ることです。
これはゲームを体験する前と後の自分を比べさせています。ゲームをはじめる前と後では、ゲームの中で多くのことを学び、難しかった操作も今では簡単にできます。物語のデザインは「翻弄 → 成長 → 意志」です。
物語を理解しようとするプレイヤーを翻弄し、物語らせる。(プレイヤーに語らせる)そして、主人公同様にプレイヤーも成長し、ゲームをクリアしたあとにプレイヤー自身の意志で運命を切り開かせます!
ゲームがなぜ面白いのか、どうしたら面白くなるのか、人は何を求めているのか、少し理解できたのではないでしょうか。
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