
次の方を対象にしています!
- 書籍「ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術」の内容が知りたい
- 市場規模などを推定したい
- いろいろな物事を因数分解したい
新しいモノやサービスが常に作られる時代です。
未知のものを計算することが求められることがあります。
- 新しいサービスをしたいけど市場規模が知りたい
- 3年後の業界の規模を予測したい
フェルミ推定は、どのように計算すればよいか分からないものを「因数分解」して考え、値を入れられるようになります。
「◯◯業界の市場規模は50億円です!」と言えるようになるのです。
その方法を紹介します。
参考:ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定とは何者か?まとめ
フェルミ推定とは「未知の数字を常識・知識を基にロジックで計算すること」です。
「未知の数字」「常識・知識」「ロジック」「計算すること」をそれぞれ考えてみます。
- 未知の数字:知ることができたらビジネスを進められる!しかし、調べても答えのない数字
- 全く新しいスマホアプリが数年でどの規模まで成長するか、など
- 常識・知識:これまでの結果や事実などから計算してみる
- はじめていくレストランで客席、時間帯の客数、顧客単価などを見て1日の売上を予測する
- ロジック:未知の数字を算出するために、どのような道を通ればいいか
- 計算すること:上記の内容から実際に計算する
フェルミ推定とは「答えの無いゲーム」です。
学校では答えのあることしか教えてくれません。しかし社会人になると答えの無い問題があります。
「いままでに無いサービス」「顧客の心を打つ提案書」「SNSでバズらせる」など。
答えが無いので「プロセス重視」「複数の案から最善だと思う選択肢を選ぶ」「トコトン議論」をします。
因数分解する
フェルミ推定は「因数分解 + 値 + 話し方」です。
- 因数分解:構造、因数、ドライバー、KPI
- 値:中身、数字、桁、単位
- 話し方:伝える、議論する
次章ではフェルミ推定の解法を見ていきます。
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定の痛快「解決」ストーリーまとめ
マッサージチェアの市場規模
お題:マッサージチェアの市場規模を推定する
日本における売上の計算です。読み替えると「マッサージチェアが1年間でどれだけ買われているか?」になります。
思考
マッサージチェアの市場規模 = マッサージチェアを1年間で購入する人数 × マッサージチェア1台の単価
さらに因数分解してみましょう。
思考
マッサージチェアの市場規模 = マッサージチェアを保有している人数 ÷ 耐用年数 × マッサージチェア1台の単価
マッサージチェアを「1年で購入する人数」から「保有している人数」に変えたことで扱いやすくなりました。
思考
1年間で購入する人 = 保有する人 ÷ 耐用年数
「ストック(保有)」を「フロー(購入)」に変換することを書籍では「ストックとフローの行き来」と呼んでいます。
次にどのくらいの人数が保有しているか考えます。
- 法人
- 旅館の大浴場やリラックススペース
- 空港などの待合室
- 個人
- 昔ながらの一軒家
一番数が多そうな「旅館」に注目してみます。
旅館はどのくらいあるのか?を考えていきます。
旅館は温泉地にありますよね。温泉地は仮に都道府県に5つとし、温泉地がある都道府県は仮に30とします。
1つの温泉地には200施設の旅館があると仮定すれば導き出せそうです。
思考
マッサージチェアの市場規模 = 温泉を売りにしている都道府県(30都道府県)× 1つの都道府県にある温泉地数(5温泉地)× 1つの温泉地の旅館数(200施設)× 1施設にあるマッサージチェア数(4台)÷ 耐用年数(10年)× マッサージチェアの単価(50万)
60億円と求められました。
スポーツジムの会員数
お題:スポーツジムの1店舗の年間売上はどのくらいか?
因数分解その1
思考
スポーツジム1店舗の売上 = 1店舗あたりの会員数 × 月会費 × 12ヶ月
会員数が求めづらいので、利用者数で考える。
因数分解その2
思考
スポーツジム1店舗の売上 = 延べ利用者数 ÷ 利用頻度 × 月会費 × 12ヶ月
延べ利用者数もざっくりな値しか置けないため、スポーツジムのキャパシティで考える。
因数分解その3
思考
スポーツジム1店舗の売上 = キャパシティ × 回転数 × 月間営業日数 ÷ 利用頻度 × 月会費 × 12ヶ月
さらにロッカーの数で考えてみましょう。
因数分解その4
思考
スポーツジム1店舗の売上(1.4億) = ロッカー数(40個) × 性別(2つ) × 回転数(3回) × 月間営業日数(20日) ÷ 利用頻度 × 月会費(1万) × 12ヶ月
バスケットボールの人口
お題:バスケットボールの人口は?
因数分解その1
思考
バスケットボール人口 = スポーツができる対象年齢人口 × バスケットボールを趣味に選ぶ割合
実際の値を入れにくいため考え直す。
因数分解その2
思考
バスケットボール人口 = 部活やサークルのコミュニティ数 × 1つのコミュニティに所属する人数
学生は上記これで求められそう。しかし、社会人は別で考える。
因数分解その3
思考
社会人のバスケットボール人口 = 学生最後の年にバスケットボールをした人の数 × 最大でバスケットボールをやれる期間 × バスケットボールを離脱しない率
学生と社会人を足し合わせると
因数分解その4
思考
バスケットボール人口(70万人) = (部活やサークルのコミュニティの数(3万) × 1つのコミュニティに所属する人数(20人)) + (学生最後の年にバスケットボールをした人の数(1万人) × 最大でバスケットボールをやれる期間(20年) × バスケットボールを離脱しない率(50%))
炊飯器の市場規模
お題:炊飯器の市場規模は?
因数分解その1
思考
炊飯器の市場規模 = 炊飯器を持っている世帯 ÷ 炊飯器の耐用年数 × 炊飯器の単価
耐用年数を深堀りする。
- 結婚していて、子どもがいる場合:耐用年数3年(全体の25%)
- 結婚していて、子どもがいない場合:耐用年数5年(全体の25%)
- 結婚していない、子どももいない場合:耐用年数10年(全体の50%)
- 結婚していない、子どもがいる場合:全体として数が少ないので考えない
因数分解その2
思考
加重平均の炊飯器の耐用年数(7年) = 耐用年数3年 × 25% + 耐用年数5年 × 25% + 耐用年数10年 × 50%
延べ利用者数もざっくりな値しか置けないため、スポーツジムのキャパシティで考える。
因数分解その3
思考
炊飯器の市場規模(約3千億) = 炊飯器を持っている世代(4千万世帯) ÷ 炊飯器の耐用年数(7年) × 炊飯器の単価(5万)
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定は「因数分解」まとめ
ここからは因数分解するための技術を学びます。
改めてフェルミ推定の因数分解は次の通りです。
フェルミ推定
フェルミ推定 = 因数分解 + 値 + 話し方
因数分解のイメージは、まだ答えになっていないと感じたら、どこが気持ち悪いか、違和感があるかを探してみましょう。
バスケットボール人口が100万人だとしたら、どこから100万人としたか?自問自答する感じです。
なんとなくで自分なりの答えがないのであれば、別の導き方を考えます。体育館の数、学校の数から考えるなど。
体育館の数だとしたら、そこから1体育館につき1グループだとし、1グループは何人だ?と続けています。
いきなり答えにたどり着くのは難しいので「気持ち悪い」箇所を少しずつ深堀りするイメージです。
- 少しでも「気持ち良い」数字を作りたい
- 現実を極力、東映した「気持ち良い」因数分解にしたい
これを意識してみてください。
その他のコツは次の通りです。
- 重要じゃないものは忘れていい
- 全体の1%など計算しても全体で誤差となる値であれば、頑張って計算しなくても無視していい
- 因数分解を2つ以上つくる
- いくつかの違う視点で因数分解してより良いものを選択する
- タテの因数分解とヨコの因数分解がある
- マッサージチェアの市場規模 = 台数 × 耐用年数 × 価格 とした場合、これがヨコの因数分解。タテの因数分解は耐用年数は「3年、5年、7年」、価格は「10万、25万、50万」と考えること
さらに応用です。
- ビジネスモデルが因数分解を決める
- コンビニの1日の売上を求めるなら「レジの台数 × さばける人数」よりも、「周辺地域500mに住んでいる人の数 × コンビニを利用する割合」のようにビジネスから考える方がいい
- 需要 or 供給
- スポーツジムの市場規模
- 需要「スポーツジムの会員数 × 年会費」
- 供給「スポーツジムの数 × 1店舗の売上」
- 需要と供給どちらが正しいわけではなく、どちらも確認しより適切な方を選ぶ
- スポーツジムの市場規模
- 因数分解の良し悪し
- ビジネスモデルとの整合性(どれほど現実を投影できているか)
- 「その後の」議論との整合性(因数分解の先に目的があるか、目的を達成するための情報になりえるか)
- 「値」の作りやすさ(すぐに計算が必要な場合に、とりあえずで算出できそうな値を選ぶ)
- 絶対数と割合
- 絶対数:コンビニの数、学校の数
- 割合:コンビニを利用する割合、人口の学生の割合
- 割合は注意が必要
- 対象の割合が1% から 2%になったら結果が倍になる可能性がある(全体で100万のうち競技人口1%なら1万人、2%なら2万人)。そのため絶対数で対象人数が1万人と考えた方がいい場合がある
- レジ方式
- 「レジの台数 × 営業時間 × 1人の単価 = 1日の売上」と考えてはいけない場合がある。コンビニの場合、レジを2台から4台に増やしても1日の売上は変わりません。ビジネスモデルで考えるのが大事
- 稼働数 × 回転数も同じことが言える。ラーメン屋では常に席が埋まっているわけではないので、稼働率も考慮する。
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定は「値」まとめ
勘かな?
フェルミ推定は、あくまで推定なので「勘」に頼る部分があります。
たとえば会員数は1000人ぐらいかな。と考えたなら自問してみください。
「なんで1000人としたんだろう?勘かな?」勘だと思ったら、さらに分解してみてください。
求め方によって幅がある
ひとつの問に対して、何通りも求め方があります。
そのためパターン1では5億となった。しかし、パターン2では3億だった、ということが起きます。
この場合、だいたい3〜5億と幅をもたせることで議論しやすくなります。
リアルチェック
出した数値は現実味のある数字か?を考えてみてください。
チェックの仕方は「どこかありえない数値になっているところが無いか」「別の因数分解の算出の結果はどうか」です。
算出方法により金額の差はあります。3〜5億の幅は良しとしても、1〜5000億の幅は許容できないと思います。
許容できないのであれば、どこかの値や計算が間違っていると疑いましょう。
加重平均
加重平均を使ってよりリアリティのある数値にしてみましょう。
たとえば、ラーメン屋の売上計算で、ラーメンに種類があるとします。
大盛り800円、普通600円、小盛り500円。
加重平均を使うと「大盛り800円 × 20%の人が注文 + 普通600円 × 70%の人が注文 + 小盛り500円 × 10%の人が注文」となります。
田の字
2軸で考える田の字。
カフェの回転数を考えてみます。
平日 | 土日 | |
朝・夜 | 5回転 | 10回転 |
夕方 | 1回転 | 2回転 |
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定の話し方。「考え方」「働き方」まとめ
伝わらないと意味がない、議論しないと価値がない
フェルミ推定を活用して値を作ったとしても、それが伝わらなければ意味がありません。
そのため「話し方」が大事になります。
自分の頭の考えたことを相手に伝わるように話すことで、フェルミ推定も価値がでます。
結論から言うべき
まずはマッサージチェアの市場規模は?という問いに「60億円」と伝えます。
結論をいうことで、相手はその金額が「大きいのか?小さいのか?妥当なのか?」「どう求めたのか?」と気になると思います。
この相手に「気になる点」を作らせることが大事です。
これにより議論が進みます。そのためにまずは結論を伝えましょう。
構造と値を分離する
結論を言ったあとの中身にも伝える順序があります。
- 算出した値(結論)
- 因数分解(構造)
- 因数ごとの値(値)
この順番で伝えます。
- 算出した値:スポーツジムの市場規模は5000億円です。
- 因数分解:スポーツジムの数 × 1店舗の売上で計算します。
- 因数ごとの値:スポーツジムの数は5000店舗、1店舗の売上は1億円です。
この順番で伝えます。
値を説明するときは「具体的にどう計算したか?」を常に考えてください。
さらに値には「約」「おおよそ」は一切付ける必要がありません。そもそも推定ですし、答えの無いゲームです。
同じような理由で、計算結果が1987億円なら2000億円としましょう。値に自信がない場合は、スポーツジムの数はもう少し分解してみたいと思います(調べてみたいと思います)、と言うといいでしょう。
上記の他に考えた因数分解があれば、それも説明しましょう。なぜそちらを選択しなかったを伝えると信憑性が高まります。
答えの無いゲームが故の3原則
伝え方は「答えの無いゲーム」です。
「答えの無いゲーム」の戦い方
- プロセスがセクシー(考え方が大事)
- 2つ以上の選択肢(複数の因数分解で考える)
- 炎上、議論がつきもの(議論する)
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定は「ビジネス」を明るくする。まとめ
「残マ」
フェルミ推定はビジネスのあらゆるシーンで使えます。
新しい商品やサービスを検討するときに必ずやることはフェルミ推定を使った市場規模推定です。
「残マ(ザンマ)」という「残マーケット」を略した言葉があります。サービスやプロダクトがあとどのくらい拡大を見込めるかを表すものです。
市場規模が100億円で、自社の売上が30億であれば、あとマーケットとして70億拡大できることを意味します。
フェルミ推定と未来予測
未来の数字も扱えるのがフェルミ推定です。
「10年後の冷凍食品市場規模はどうなるか?」推定する場合、次の3ステップで導けます。
- 現状の冷凍食品規模を算定する
- 「人口 × 食事の数 × 冷凍食品を使う割合」
- 冷凍食品に影響を与えうる「外部環境の変化」を規定する
- 共働きが増えると冷凍食品を使う割合はどうなる?
- コロナでリモートが増えると冷凍食品を使う割合はどうなる?
- 高齢者が増えると冷凍食品を使う割合はどうなる?
- 外部要因を踏まえ10年後の冷凍食品市場規模を推定する
- 今までの情報から規模を求めてみましょう。未来のことは分からないので影響が大きそうなものや「松竹梅」とパターンをだしてもいいでしょう
フェルミ推定と中期経営計画
中期経営計画はまさにフェルミ推定です。
3年後に売上を◯◯億にします!そのために◯◯します。これはフェルミ推定で導くものです。
経営の場合は、因数分解ではなくKPI(重要業績評価指標)と呼ばれたりします。
「KPI × KPI × KPI = 中期経営計画」
となります。
たとえば中期経営計画が売上2億であれば、「顧客200社(KPI) × 顧客平均単価100万円(KPI) = 2億」となります。
顧客を200社にするには?と深堀りする必要はあります。
KPIを出すことで現状とのギャップがわかります。ギャップの原因を突き詰め、その原因を解消できる打ち手を探します。
フェルミ推定とシミュレーション
企業価値推定をするデューデリジェンス(DD)という査定の仕事があります。
これにもフェルミ推定が役立ちます。
- 企業の現状を因数分解
- KPIをあぶり出す
- 市場の3年後を推定、値を作る
- 3年後の売上・利益を推定する
フェルミ推定と工数見積
作業にどのくらい時間がかかるのかもフェルミ推定が使えます。
1万件のアンケートの工数なら「(1つの封筒を作るのにかかる時間 × 1万) ÷ (スタッフが1時間で捌ける封筒の数 × 1日の作業時間)」
ざっくりこのような感じです。
今までのペースから、あと◯◯時間かかりそう、と考えたことある人は多いのではないでしょうか。
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フェルミ推定の技術 要約|フェルミ推定を「鍛える」ための方法。まとめ
「因数分解」→「話し方」→「値」をこの順番で鍛えていきましょう。
全部を一度に鍛えるのではなく、1つずつ着実に身に着けていきましょう。
- 因数分解
- 因数分解をひたすら行う。この段階で値はつくらなくていい
- 1つの問いに対して複数の因数分解を行う
- 因数分解のパターンを増やしていく
- 話し方
- 最初は「回答」を話し言葉で文章をつくる
- 読むのではなく、実際に声に出す
- 声だけで理解できるかを誰かに話してみる
- 値
- 値を出す過程(プロセス)が美しいかチェックするイメージ
- いろいろな角度から見てみる
- 答えの無いゲームと認識する
何かを学ぶには次のサイクルしかありません。
- 暗記する
- 不自然に使う
- 日常で無理やりにでも使ってみる
- とにかく意識的に実践してみる
- 違和感を発生させる
- 現状とのギャップなど違和感を感じたら、違和感の正体をつきつめる
- 質問する
- 違和感は周りの人にも共有しましょう
参考:ロジカルシンキングを超える戦略思考 フェルミ推定の技術
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